『ヒメゴト』 「舞−HiME」二次創作 注意:  この作品は、サンライズ製作のアニメーション『舞−HiME』の人物・世界設定を使用しています。  内容に一部性的表現が含まれますので、十八歳未満の方の閲覧は禁止させていただきます。                           2004/12/24:更新:sugich                           2004/10/27:初版:sugich ---------------------------------------------------------------------------- (どうして、こんなことになっちゃってるんだろう……)  舞衣は自分のベッドの上、夜の暗闇の中でぼうっと考えていた。  とても今までの自分の生活では考えられなかった、思いつきもしなかったような『非現実的』なことが、いざ自分の身にふりかかってみると。  それは、とても不思議なことで、とても考えられなかったようなことで……。   ぴちゃ ぴちゃ ぴちゃ   ぴちゃ ぴちゃ ぴちゅ  妖しげな何かを舐めるような音が部屋に響く。  いやらしい何かと、ぬめぬめとした何かが互いに重なって立てる音。  それは、その音は、舞衣にとっての『非現実』そのもので。  HiMEとしてオーファンとの戦いに否応なく巻き込まれていることよりも、もっともっと彼女にとっては『非現実的』なことだった。 「ん……ぁ……」 「んふ、ん、んふぅ……」  ぴちゃぴちゃと、下の方から聞こえてくる音にはできるだけ意識を向けないようにして、彼女はもう一度考える。 (どうして、こんなことになっちゃったんだろう……)  その問いに答えるのは……。  ただただ繰り返される湿った音と、幽かな息の音、そして、自分自身が時たま上げる小さな、けれど確かな、艶を含んだ喘ぎ声だけだった。           §  きっかけは些細なことだった。  いつもの出来事。  いつもの夜。  二人一緒のいつものご飯。 「んぐんぐんぐんぐ、ごちそうさまーっ」 「はい、おそまつさま」 「舞衣のごはんは、いつもおいしい」 「ふふ、そう言ってくれると作り甲斐があるなぁ、あたしとしては」  大騒ぎの末に入るいつものお風呂。 「お風呂はきもちいいでしょ!」 「ううー」 「きもちいいことは、いいことなのっ!  だからお風呂はいいことなのっ!」 「舞衣もきもちいい?」 「もちろん」 「じゃ、舞衣もきもちよくてうれしい?」 「そ、当然!  ちゃんと、わかってるじゃない」 「うん……わかった」  そして、いつもの、 「おやすみなさい」  そんないつもの夜だったはずなのに……。  いつものように、命は舞衣のベッドにいつの間にか潜り込んできて、その同年代の娘とくらべると多少大きめ……な胸に頭をくっつけて幸せな寝息をたてていた。  「仕方ないなぁ」と苦笑して、小さな命の頭を撫でる。  「ん、んにゅ……」という可愛らしい寝言が、ふと弟の小さな頃を思い出させた。  ただ、命のことが可愛くて。  ただそれだけだったはずなのに……。  うつらうつらと、舞衣は眠りの国へと続く路を歩いていたはずだった。  それが、何かおかしいことに気づく。  少し胸の辺りが涼しくて、けれど一部だけは異様に熱く感じられた。  薄目を開けると、舞衣の薄ぼんやりとした暗い視界の向こうに、つんつんとした何か黒いものがもぞもぞと動いているのが分かった。  と、同時に耳に聞こえてきたのは。   ぴちゃ ぴちゃ ぴちゃ   ちゅる ぴちゃ ぴちゃ  はっきりと目を覚ます。  いつの間にか胸がはだけられ、そこには命の頭があって……。  そして、命は。  舞衣の乳首をちゅうちゅうと音を立てて舐め、乳房をその小さな手で捏ねるように撫でまわし、薄いピンク色をした場所を何度も何度も舌を這わせながら。 「ん、んひゃ……まい。  起きた?」 「お、起きたって、命……」 「んふ……ぬちゅ、ぺろぺろ」 「ひ、ふあ……って、いったい何をしてっ!」  舞衣は自分の上から命をどけようとして、腕を……伸ばせなかった。  いつの間にか舞衣の腕は頭の上に持ち上げ揃えられ、何かによって動けなくされていたからだ。 「ちょ、ちょっと、何よ、何よこれ、命っ!」 「ん?」  舞衣の激しい声に、命は不思議そうに顔を上げる。  いつもと変わらない、いつもの無邪気な……。 (ちがう……)  それは舞衣の知っていた、あの、いつもの命の顔ではなかった。  無邪気で、元気で、ご飯のことになると顔がぐにゃぐにゃにとろけてしまう、可愛い小さな子供のような彼女の顔ではなかった。  金色の瞳が、夜の暗闇の中で妖しく輝いている。  舞衣の胸元から覗き込むように、圧し掛かりながら、這いよるように、舞衣の心を絡め取るように。  だから舞衣は、そこから目を離すことができなかった。  金色の輝き。  近付いてくる。  瞳と瞳。  もっと近付いてくる。  ふるえる唇。  小さく笑う唇。  近付いて、限りなく近付いて。  そして、触れた。 「!」  そのまま、舞衣の唇を割り開いて命の舌が侵入してくる。 「ん、んーーーっ」  舞衣は目を見開き、振り解こうとして……けれどそれは終にかなえられることはなかった。  頬は命の小さな手に、けれど強く決して逃れられない力で捉えられ。揃えて上げさせられた両腕の上には、あいかわらず固くて長くて冷たいなにかが押し当てられ自由を制限されていた。  退けようとしてもピクリとも動かず、逆にギリギリとベッドの上に押し付けられる。背中が反るぐらいに、強く。 「いひゃっ」  舞衣はその痛みに顔を振って、思わず声を上げる。  互いの唇が離れた。 「ミロク」  押さえられていた力がフっと弱まり、少しだけ自由になる。  舞衣は命の目を見て……けれどその魂まで引き込まれてしまうような瞳を見続けることに耐えられなくて、目を逸らした。 「命、どうして……」  ショックだった。  ファーストキスに続いてセカンドキスまで奪われた、ということではない。  あの命が、自分にこんなことをするのが信じられなかったからだ。 「お礼」 「?」 「お礼」 「……お礼って」  命の短い言葉は、舞衣にとってまったく意味不明のものだった。 「兄上は、わたしにこういうことしてくれた。  いっぱい」  そして、もう一度唇が合わせられる。  命の熱い息が、命の唾液が、舞衣の中へ流れ込んでくる。   ぬちゅ にゅる にゅるり   くちゅ くちゅる くちゅ  また唇が離れる。 「そ、それって!」 「それに兄上も、わたしがこういう風にすると、とってもほめてくれた」  そのまま、胸元へと頭を下ろしていく。 「わたしも、兄上にこういうことされると、とってもうれしかった」 「とっても、きもちよかった」  命が笑う。 「とってもキモチよくてうれしいキモチになれたから、舞衣もきっとよろこんでくれるって思った」  本当の笑顔だった。  妖しく、無邪気な笑顔だった。 「きもちいいことは、いいことだって」 「ち、ちが……ひゃぅっ!」  いつものこと、きもちいいこと、あたりまえのこと、うれしいこと。  全てをただありのままに受け入れている、そんな笑みだった。 「舞衣もそうだって。  だから、うれしかった。  お礼しなくちゃって、思った」   ちゅる ぷちゅ ぷちゅり   ぬりゅ ぬりゅう れろぉ 「あ、あ、あは、あ……」  もはや舞衣は、何か意味のある言葉を一つ出すことさえできなくなっていた。           §  命は舞衣の下半身、両腿の間に顔を埋めて一心に顔を動かす。  ゆっくりと、円を描くようにゆっくりと、丹念に丹念に。  大事なものを愛するように、親猫が子猫の毛づくろいをするように。  大切に、大切に、そして、美味しそうに。  とても、とても美味しそうに。  舐めて、なめて、なめて。  なめて、なめて、甞め続ける。   じゅる にゅるぅ れろ、れろぅ   にゅる じゅるる れろ……  赤く剥けたクリトリスを舌で転がし、そのまま恥丘の上を滑り、お臍の辺りまでつつぅとそのいやらしい紅い蛞蝓を這わせていく。  月明かりに、その這った跡が濡れて光る。  いやらしい光。  爛れた夜の輝き。  はぁはぁと荒く上下するお腹の上を、お臍の窪みを丹念に嘗め回す。お臍のゴマまで綺麗に無くしてしまうぐらいに。美味しそうに、とても美味しそうに。  そしてまた、登り着いた路を引き返して行く。  そしてまた、舞衣の大きな喘ぎ声が上がる。  いつも命は舞衣の料理を美味しそうに脇目も振らずに食べているけれど、今のソレは、普段とは少し違う『美味しい』食べ方だった。  舞衣という名の極上の器に盛られた最上の料理、上気して紅く染まる肌にじっとりと湧く汗をゆっくりとゆっくりと丹念に舐め採り、薄く蔭る若草の露を丁寧に掬い取り。固く充血してプルンと震える小さなお豆を唇に含み、隙間から染み出て溢れる淫液をぴちゃぴちゃと子犬のように音を立てて吸い、そのまま舌を侵入させた先にある、ぬめぬめとして蠢く生きた美しいピンク色の肉襞の重なり味わう。  もっともっと、美味しいものを。  舞衣という美味しい料理を、最高の料理を味わいつくしたい。  綺麗に、綺麗に舐め取って、何もなくなるまで、なにも考えられなくなるまで。 「あぁ、あ、あ」  舞衣は、陶器の皿が立てるような、澄んだ高い音色を部屋に響かせる。  その声は──普段の活発で頼りになって、お腹を抱えて楽しげに笑い、頭を撫でながら優しく笑い、命のことをたまには叱りつけたりする、あの、いつもの舞衣のものとはぜんぜん違う声だった。  欲情に濡れ、性の歓喜に翻弄される、女の声だった。 「ひっ、そこ、や、やだ、や、あ、あ、あ!」  命の濡れた指が舞衣のお尻に当てられ、にゅると滑り込む。 「ひゃいひょうふ……ん……にゅ」  既にそこは舞衣のおまんこから溢れた淫汁と命の唾液とでべとべとのぬるぬるになっていたためか、ほとんどなんの抵抗もあげることができずに、そのまま最初の第一間接までがぐにゅぅと突きこまれる。 「イ、ア、あ、あ、あ、あ、あ、あぎ!  くあ、は、は、は……」  普通とはまったく逆の行い。出るはずのところに侵入される不快感、痛み、気持ち悪さ、痛み、恐れ、恐怖!  けれどそれも、与え続けられる快感に──命の舌と唇と、小さな顎や顔全体の動き、下半身に触れるくすぐるような髪の毛のさわさわとした感触、そして太股に添えられた手の蠢きに合わせて、だんだんとだんだんと別のナニかに変わり始める。 「ひぁ、あ、ら、らめ、らめ、らめらからぁ」  呂律の回らない声。  痛みも恐怖もなにもかも、押し寄せ、退いてはまた押し寄せる快感の波の前に全てぐちゅぐちゅになって。  涙と汗と涎まみれになった顔は、最早『キモチイイ顔』という言葉でしか言い表せない状態になっていた。  口を開けて舌を突き出し、ハァハァと息を荒くし、涎が零れ落ちるのさえもはやなんの構いもせず。涙を流し、歓喜の涙をとめどなく溢れさせながら、高い高い声を上げる。  両腕で顔を覆う。 「イ、あ、あ、ひ、ヒあ、ィひ、ひもひィ」  高く、高く、高く高く。 「あ、あ、あ、あ、あ」  どこまでも、どこまでものぼりつめていく。   くちゅ、くちゅる くちゅる   ぬりゅ、にゅるぅ じゅるにゅるぅ  何も考えられなくなる場所、白く澄んだ、『キモチイイ』だけの場所。  そこに向かって、舞衣はただただ声を上げ続けていた。           §  ……窓から差し込む月の光。  ベッドの上で重なり蠢く二人の上に、月は冴え〃〃とした光を投げかけている。  硝子をふるわせる鳴き声も、湿る部屋の空気と熱も届かない場所から。  ただ、静かに。  夜は、まだ、終わらない。                                   〜了〜